エビスビールではない

 5月にサーキットデビューをした山杜にとっては第2戦となる今回のイベント。スタイルキング社では毎年催している企画らしいが,5月の続編的な意味合いもあり(特にゼロニー競技は5月が初の試みだったらしい),スタイルキング側でも気合いが入っている。また,今回はドレスアップコンテストも同時開催とのこと。5月を上回る参加が予想された。

 今回用意されたクラスは以下の通り。

クラス名 内 容 費用
ドレコン
ドレスアップコンテスト&爆音計測(希望者のみ)君は140dBを越えられるか?
\8,000
俺は速いぞ
ミニバンのみ タイム計測付・決勝は20周、予選有り/0-200 2回 腕試しだ!
\20,000
一般的だと思う
Kカー・2BOX・ミニバンのフリー走行 計測付/0-200 2回 マイペースで走れる!
\15,000
同乗走行
車種制限ナシ 0-200 2回&15分走行3回 先導車有りですが徐々にスピードUP!
\8,000
音吉クラス
車種制限全然ナシ 12:00〜13:00までのフリー走行 サニー110と勝負勝負!
\10,000

 ドレコンは関係ないとして,参加クラスはかなり迷った。「俺は速いぞ」はまず無理。「同乗走行」からは今回はレベルアップしたい。「一般的」「音吉クラス」か・・・。費用の面からすれば「音吉クラス」の方が安くあがるが,1時間連続走行はつらそうだ。タイム計測についても書いていないし,車種制限なしならばとんでもないクルマも参加しそうだ。スタイルキングのサニーはめちゃくちゃ速いようだし・・・。いろいろ考えた末「一般的」クラスに決心したが,この判断が後ほど自らを救うことになるとは,この時点では知るよしもなかった・・・。

 前日に洗車とメンテナンスを済ませ,いよいよ当日。残念ながら今回も1人での参加となり,写真撮影係がいなかった。大蔵専務が調整がつけば同行できるはずだったのだが,急用ができて今回もパスとなった。朝起きたらどんより曇り空。雨になるときついなあと思いつつ出発。朝6:30〜7:30が受付時間のため,5:50に出発となった。途中,本宮の某牛丼屋にて朝定食を食べ,腹ごしらえも完了。5月は正面突破して武装ミニバン集団の中に飲み込まれてしまったので,今回は多少遠回りではあるが岳温泉から抜ける裏道を通ってエビスへ向かうことにした。こっちの道を通っている参加者は見あたらなかった。まあ,地元の人間でもなければこの道は知らんわな。県外組の方が参加者は多そうだし・・・。朝飯を食べたこともあり,エビスに到着したのは6:45。逆方向から来たミニバン集団が続々と中に入っていく。山杜も中へ。西側大駐車場にはすでに多くの参加者が集まっていた。

 今回はあらかじめゼッケンが郵送されていた。駐車場で貼り付け,いよいよコース入り。今回,第2パドックはドレコン優先で使われていた。まあ,会場まで来て車高調いじってペタペタにする人も多いんだろうし,仕方ないか。第1パドックは相変わらずショップ優先。一般参加者はピットロードにずらーっと並べられた。さてドラミまでの時間で支度。降ろせるもの降ろして,外せるもの外して・・・。隅っこの第2パドックが空いていたので置かせてもらった。

 予定よりちょっと押して8:30にドラミ。カラスのせいでコース上にゴミが散乱しており,撤去に時間がかかったとのこと。おなじみスタイルキング尾林社長登場。何故か首にコルセット。しかしそれすらネタにしてしまう相変わらず面白いお方だ。ドレコンの説明とコース説明。見渡すと,ドレコン参加者の方が平均年齢が若いような気がした。走行組は結構トシ行ってます。うーん。そういえばドレスアップ系の雑誌に登場してるオーナーって20代前半多いもんなあ・・・。「クルマなんだからもっと走ろうよ!」と思ってしまうぞ。オジサンは(自分でオジサンと認めてしまった山杜である)。でも,20代前半でドレスアップにつぎ込むカネがそんなにあるというのが驚きである。あ,家族持ってないからこそつぎ込めるのか。

 ドラミも終わり,すぐにゼロニー開始。これは前述したとおり,俺速クラスから同乗クラスまで参加の,ATならばアクセル踏むだけでよいお気軽企画だ。もちろん良いタイム出すならテクはいるのだが。山杜の目標は13秒を切ること前回は13"077だったので,頑張れば不可能ではないだろう。コースを逆送し,スタート地点へ。相手は・・・げぇ!フェアレディZ(写真)!なんでデモカーが相手なの〜!!シグナルが青に変わった瞬間,ものすごいスキール音とともには飛び出して行ってしまいました・・・あう。2本目のためスタート地点に戻って来て並んでいるとき,のドライバーさんと会話。

「ごめんなさい。場違いで。尾林社長にサニーと勝負するから持ってきて,って頼まれたんですけど,尾林社長ってば首ケガしててサニー持ってきてないんですよ。」

 そういうことね。音吉クラスの車両の特別参加ってわけだ。しかしやっぱり旧車は味があって良いなあ。2本目は相手を替えて頂けました。は同じく音吉クラスS2000と。山杜は俺速クラスエスティマと。2本目はロケットスタートも成功し,シーケンシャルのシフトチェンジもドンピシャ。出たタイムは・・・12"975!!よっしゃ!目標達成!!

 ゼロニーも終わって一息。ストリームをアイドリングさせている間,ドレコンを見て回る。いやー,すげー!車高ペタペタ,エアロごてごて,ウーファーぼんぼぼん。雑誌社が取材に来ていたが,やはり取材のメイン走行会よりもドレコンの御様子。まあ,ミニバン・ワゴン系雑誌で走行会記事にしても,ここに集まっているミニバン走り屋以外は誰も読まなさそうだしね(笑)。

 で,始まりました爆音コンテスト。しかし・・・ドレコン参加者で爆音計測を希望する人が少なすぎる!!まあ,あれだけ車高下げてセッティングし終わった後だし,移動したくないのもうなずけるが。数少ないエアサス装着車以外は爆音計測場所に移動してこれなかった様子であった。仕方ないので「走行会参加の車両でも飛び入りOK!」と司会者の方。おいおい(笑)。走行会車両の方がサウンド大きかったりして(笑)。140dB突破した車両が少なく,「そんなことでは東京の暴走族にはなれません!」という総括で終わってしまった。企画失敗だったか。

 続いては全車両でのコース下見走行。当然ゆっくり走行。全車両メット無し&同乗OK。ドレコン参加者も走って良いとのことだったのだが,やはり走るドレコン参加車両は皆無。ドレコンは「見せる」のが目的だし,こんなところでエアロ割りたくないんでしょうね。確かにエビス西コースアップダウン激しいし・・・。そんなわけで,ライン取りを確かめながらコース下見を終えた。

 さて,一般的クラス1本目「タイムは計らないので,感触確かめる程度で」尾林社長2本目に勝負ってことで,まずは肩慣らしと行きますか。・・・という余裕は山杜にはない。なぜなら,5月はペースカーつきの体験走行。全開での走行は初めてなのだ。どのぐらいでアンダーが出るのか,シフトタイミングはどのぐらいか,しっかり身体にたたき込んで2本目に備えなくては。いざ出陣!「タイム計らない」と聞いて1本目棄権した車両が多いのか,のびのびと走ることができた。体験走行の時とは比べ者にならない横G。響き渡るスキール音。恐怖心さえ感じるアンダーステア。しっかり感触をたたき込んだ1本目が終わった。汗だく。でも感動した。体験走行とは比べものにならない「走ったぞー」という充実感。タイヤをチェックしたら表面が溶けている。低めにした空気圧が再度計ったらかなり高めに。サーキット走行って凄いなあと改めて感じた。シーケンシャルモードが無いATだと,ここまで「走った」という感触はあるんだろうか。多数派のエスティマのオーナーさんに聞いてみたい。

 その後始まった音吉クラス山杜が選びかけたクラスである。「このクラスは何でもありのクラスなんで。まあ俺の名前が付いてるくらいあって趣味ですから」という尾林社長のコメントののちスタート。1時間にわたるフリー走行。ミニバンで参加は2〜3台ぐらい。後はS15だの180だのスカGだのベンツ(!)だのさっきのだのS2000だの・・・。走りのレベルもとにかく凄い。あーよかった。ここに参加しなくて・・・。参加してたら強制退場でした。そういうことはきちんと申し込み要項に書いてくださいよ!尾林音吉社長!!危うく申し込むところだったじゃないですか!音吉クラスのラストには,プロのドライバーの方によるドリフト同乗体験走行も行われ,大盛況だった。2本目の体力温存のため山杜は同乗希望しなかったが,滅多に体験できるものではないし,後悔しきりである。

 俺速クラスのタイムアタック1本目(しかし相変わらずエスティマばっかり)も終わり,いよいよ一般クラス2本目タイム計測の時がやってきた。午前中は晴れ渡ったものの,この時間また雲がどんよりしてきた。走っている最中に雨降ってこなければよいが・・・。緊張で胸が高鳴る山杜。いよいよスタート。1本目より車両台数が多くて苦戦しそう。どノーマルはやはり山杜のみ。案の定かなりの台数に抜かれていく。ハザード出して避けるため,なかなかタイムアタックに集中できない。ん?なんでインプセダンWRXが走ってんの?このクラスってKカーと2BOXとミニバンだけじゃないの?セダンって3BOXでしょ?結構適当なのね・・・。

 そしてもうひとつ邪魔が。山杜の前を走っていたエスティマ抜かせてくれない直線での伸びは五分なのだが,明らかにコーナーリングでこちらが勝っている「タイム伸びねーじゃねーか!避けろよ!」という心の叫びも届かず,一向に避ける気配なし。どノーマルに負けてたまるか!とでも思っているのか,単に気づかないだけか。インを開けてくれないのでコーナーでも抜けない。アウトから抜けるほど出力でこちらが勝っているわけもない。そうこうしているうちにまた後ろから速い車両が。あ,そうだ。タイムアタックなんだから抜く必要はないのか。ハザード出して徐行。前のエスティマは相変わらずゴーイングマイウェイ。まあ,出力が根本的に違うクルマにとっては,譲らなくても抜いていくのに支障はないらしい。山杜も直線で抜けたらなあ・・・直線では五分の伸びってのが始末が悪い。よし,十分にエスティマとの車間が空いた。ここからが勝負だ!結局,タイムアタックに集中できたのは2周のみ。しかしそれでも全神経を集中させたので凄い疲労であった。2周後にはまた前のエスティマに追いついてしまった。相変わらず抜かせてくれない。その1周後にチェッカーフラッグが振られ,タイムアタックは終了した。雨は降らずにほっと一安心。

 ピットロードに戻ってきた山杜ストリームに異変が。回転数が2000を切ったとたんにエンジンから野太い異音が!「エンジン強化してないし壊れたか?」と思ったが,その後すぐに元通りに。どうやらレッドゾーン近くでの走行が続いたために低回転域でノッキング起こしたらしい。ATでノッキングってするんだなあ・・・。メットを取ったらコップから水こぼしたように汗がザパー。でも凄い充実感だった。苦戦しながらも,山杜の初タイムアタックはすばらしい充実感を持って終了したのであった。

 同乗走行クラス俺速クラスの2本目が終わった後,一般クラスの3本目・・・だったが,もはや2本目で燃え尽きている山杜はあっさり棄権。まあ,さっきのエンジンの異音も気になったし,自走して帰れなくなっても困るので。もったいないと思うかもしれないが,山杜としてはこの時点で真っ白な灰だった(by矢○丈)。

 その後俺速クラスは3本目を行った後,ここまでのタイムアタックでグリッド順を決定し,いよいよ決勝レースとなった。タイムアタックではない。レースである。車両はほとんどがエスティマエスティマのワンメイクレースといっても差し支えない。稲妻,雷鳴がとどろく中,いよいよレーススタート。タイムアタックとはまた違う,見応えのあるものとなった。リタイアも続出。やはりレースはひと味違う。みんな自走して帰れるんだろうか,と他人事ながら心配になってしまった。

 このレースが終わるやいなや雨が落ちてきてパレード走行は中止。即閉会式となったが,よく走行中に雨が降らなかったものだと感心しきり。後で聞いた話なのだが,近隣の地域はものすごい集中豪雨だったという。大雨洪水警報も出されていたようだ。エビスには神が居るのか?

 とにかく山杜の初タイムアタック大満足のうちに終わったが,タイヤがもう寿命となり,強化していないマシンの限界も悟った。次回は11月30日の予定だというが,おそらく参加は難しいであろう。来年度,山杜は山奥への転勤が予想されるため,ひょっとしたら初タイムアタックがサーキット引退走行になる可能性が出てきた。でもそれでもいい。そう思えるほど燃え尽きて真っ白な灰となったのだ(by矢○丈)。思えばストリームに乗り換えてから,もはやスポーツ走行は無理だと思っていた。しかし,山杜にサーキット走行の楽しさを教えてくれたのはストリームだった。ストリームにはノーマルでサーキットを走らせてしまってずいぶん無理をかけた。ここに感謝をしたい。ありがとうストリーム

 ストリームをいたわるようにゆっくりと帰路についた山杜だったが,ドレコンの皆さんはその後エアロを割ることなく無事に帰れたのかどうか今でも心配である(笑)雨降ってきてたし。

 さて肝心のタイムアタックのリザルトであるが・・・後日封書により届けられた。タイムは,1’31”875。「俺は速いぞ」,「音吉クラス」も含め,タイムアタック参加46台中44位!まあ,どノーマルだしこんなもんでしょう。ビリでなかっただけ満足です。

<例によって山杜走行中の写真なし>

走行会ミニバン軍団
走行会ミニバン軍団

ドレコンの皆さん
ドレコンの皆さん

ゼロニーの相手
ゼロニーの相手がこのクルマでは・・・

爆音コンテスト
爆音コンテスト

激走音吉クラス
激走音吉クラス

ドリドリ
ドリフト模範演技

俺速クラス決勝レース
俺は速いぞクラス決勝レース

山杜ストリーム
スーパーノーマル山杜ストリーム


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