エビスビールではない

 3月にオプションワゴン誌上で発表されたこのイベント。ストリームに乗り換えてからサーキットデビューは無理だろうとあきらめていた山杜にとってはまさに光明だった。しかも会場があまりにも近いエビスサーキット。これは参加するしかないでしょう!「ノーマルだろうが」というあおり文句にのせられ,速攻で申し込みをした山杜であった・・・。1人で行っては写真が撮れない!と思って手当たり次第に声をかけるものの,皆さん都合がよろしくないようで,結局1人での参加を決意することになろうとはこの時点では知る由もなかった・・・。

 待ちに待ったり2ヶ月。ところが前々日の天気予報で19日は雨!洗車もあきらめ,大雨の中をいじける18日の山杜・・・。しかし奇跡は起こった。18日午後5時。大雨がやんだ!天気予報を見れば19日に太陽マークが!いける!!あわてて洗車場へ飛び出し,ぴかぴかに磨き上げた。準備も完了し,いよいよ出発するのみとなったわけだが,なかなか眠れない。こんな気持ちはいつ以来か・・・。結局,あまり熟睡できないまま当日の朝5時を迎えたのである・・・。

 ひとっ風呂浴びてから朝6時に出発。昨日の大雨が嘘のような爽やかな青空。ウェットな路面での事故が怖かったがどうやら一安心。早朝だし,エビスまでは40分もあれば着くだろう。7時に集合なので余裕だ。岳温泉を通る裏道もあるが,あえて王道ルートを行ってみよう。参加車両を見かけるかもしれないし・・・。と考えたのが間違いであった。二本松市に入って,エビスへ行く道に折れた最初のドライブイン・・・なんじゃこりゃあ!!駐車場から出てくる出てくる武装ミニバン軍団エアロばりばり,ネガキャンばりばり,シャコタンばりばり,爆音ばりばり。前後を凄い台数の武装ミニバン軍団に囲まれ,エビスへの道を進む山杜ストリーム@ほぼノーマル早朝の二本松市の空に響く大爆音。ううう・・・やっぱり場違いだったかなあ・・・。しかし,この行列はあまりに笑えた。よくもまあこんだけそろったもんだ。

 エビスサーキットの入り口は大変混雑していた。ワゴン&ミニバン以外にもスポーツカーが並んでいる。流石8つのコースを持つエビスである。流れに乗って中へ。会場となる西コースへ向かう。西コース駐車場には大すでに多数のミニバンが・・・みんなすげえなあ・・・。場違い感がさらに増す。そうこうしているうちに受付が始まったようだ。ゼッケンをもらう。14番・・・うーん,個人的には嫌いな数字だが・・・。ふと見ると続々とパドックへ移動していく武装集団。くっついて山杜も移動。「ノーマルじゃん,だせー」という声が聞こえてくるような錯覚が・・・。しかしなんと,第2パドックながら屋根付きのパドックが割り当てられることに。どうやら走行クラスごとの割り振りらしいが,山杜のようなどノーマルが屋根付きで,武装集団が路駐とは申し訳ないようなざまあみろのような(笑)。ちなみに第1パドック(コースピット)のほとんどはメーカーさんが使ってました。

 主催のスタイルキングの社長さん(ご自身もバリバリ走るとても面白いお方)よりゼッケンとステッカーを所定の位置に貼るように指示が出される。なんでも「走ってなんぼ2002」のステッカーを流行らせたいらしい。ドラミまでまだ時間がたっぷりあるのでとりあえず散歩。いやー凄い凄い。みんな凄い武装。ドレスアップだけじゃない。エンジンも相当手を入れて轟音が響いている。みなさん何でそんなにもってるんですか!!しんじらんない・・・。しかも「なんじゃこりゃ」というぐらいのエスティマの数。ミニバン3強エスティマ,ステップワゴン,オデッセイが多いだろうなあと予測はしていたがなんとエントリー55台(メーカー除く)のうち21台がエスティマ(新旧併せて)という,まさにエスティマの品評会であった。ちなみにストリーム山杜含めたったの2台(笑)。

 気を取り直して走行準備に取りかかる。すさまじいエンジン音に対抗するには軽量化しかない。簡単に外せるものは手当たり次第に外し,シートも折り畳んで重心を低くする。エンジンチェック良し,タイヤチェック良し,ライト類テーピング良し・・・。え,みなさんテーピングは?どうやらワゴン&バンの皆さんはテーピングしたくないご様子。そりゃあ,あんだけアイラインとかたくさんつけてりゃなあ・・・でもマナー違反でないかい?サーキット側も何も言わなかったようだが。山杜の他には後1台,MPVの方がテーピングしてただけでした。

 8時30分にドラミ開始。ドラミ最中にエクゾーストノートが響いてくる。隣の南コースではすでに走行会が始まったらしい。負けてられませんな。山杜のエントリーしたAクラス0−200が2本と体験走行。まあ,危なくはないだろう・・・でも,まずコースの下見ということで全員でゆっくり走行するようだし0−200の間はコースを逆送して元の位置に戻ってくるようだし,結構走れそう♪まあ,歯が立たないのは最初からわかっていることだけど,全力は尽くしましょう。

 で,9時半ごろ・・・いよいよ下見走行開始・・・A,Bクラス(AミニバンBワゴン体験走行の部)は下見の後そのまま0−200やるらしいので,メットグローブをしっかりつけていざ出陣ストレートの後,最初のダブルヘアピンが一番の見せ場でしょうね。ギャラリー席あるし。いろいろな雑誌でも紹介されているエビス西コースの名物である。その後少しの直線を挟んで急勾配上り坂第3コーナー。高速コーナー抜けてバックストレート。高速S字を抜けるとものすごくRのきつい最終ヘアピン。最後に鈴鹿名物のようなシケインをクリアし,ホームストレート。凄いコースだ。流石に有名なコースだけのことはある。2周の下見を終え,一度パドックへ入り仕切り直し。C,Dクラスを残し,そのままA,Bクラスはピットロードを逆送してコースも逆送。第1コーナーの所で待機となった。

 さー,いよいよ来たぞ0−200。遅いのはわかってるけどどこまで通用するか・・・。2台同時スタートである。山杜の相手はRVR。エアロはついてないけど(RVRだし当たり前か)マフラーから見てエンジンいじってそうだな・・・。スタートだけでもかましてやる。シグナルが青に!右足のアクセルの力を左足ブレーキで無理矢理押さえておいた(2000回転ぐらいだけど。それ以上やるとATが壊れそうだったので)。今解き放つ!ロケットスタート成功!あれれ?スタートでは勝ったのに,あっという間に抜かされました。向こうがMTというのもあるが・・・やはり駄目だった(笑)。でもシグナルが青に変わる緊張感が味わえたし,まあイイでしょう。

 コース逆送して1周。2本目のスタート地点に着く前に止められ,オプションワゴンの取材。全車取材だって・・・それは職業柄まずいよ・・・写真は勘弁してくれ・・・うぎゃああ!!・・・さて,果たして取材はどうなったのか。オプワゴ8月号(6/21発売)をご覧ください(笑)。2本目はスタートダッシュにも失敗してダメダメ0−200ベストタイム「13秒077」でした〜。こんなもんでしょ。

 パドックに戻ってきて車両点検。異常なし。ほんじゃC,Dクラスの0−200でも見に行くか。流石にこちらのクラスはさらに気合いが入っているCクラス(ミニバンタイムアタックの部)エントリーは34台!おいおい!各クラス20台限定じゃなかったのか?まあ,その分他のクラスが少ないんだから良いんだろうが。やはりミニバン全盛か。Dクラス(ワゴンタイムアタックの部)はたった9台。(ちなみにA10台,B2台!)C,Dの0−2001本勝負である。いやー,ミニバンとは思えない爆音響かせて・・・。もちろん遅いのも居るけど。で,C,Dクラスが終わったら今度はメーカーのデモカー0−200を行った。こちらはもう口あんぐり8秒台!?もはや「弾丸」である。

 時刻は間もなく11時・・・やってきました体験走行!うれしいな〜。いよいよスタート。下見走行よりスピードがあってGもかかる。ライン取りを考えながらしっかりと走行・・・。ペースカーもスピードあげてきたしいい感じ・・・と思ったのもつかの間,山杜の後ろを走っていたエスティマが抜きたそう。おいおい,ペースカー走ってんだぞ。追い越しは禁止だ。第一,山杜の前にもさほど車間を置かずにステッピーが走ってるし・・・と思っていたら,第1ヘアピンで強引にインにつけて抜いていきやがりました。そのまま前のステッピーも抜く・・・。あ,そーゆーことするわけ。どういう訳か,ペースカーのスピードもかなりのもの。それならこっちだって,うぉりゃあー!!・・・。初心者が事故りそうな所ではペースカーのスピードが落ちるものの,結構攻め込めました。シーケンシャルモードフルに使えて楽しかったです。シフトタイミングもかなり掴んだし,次回の参考にしよう(次回もやるつもりか)。でも,体験走行終了後,スタイルキングの社長さんが「みんなマジになっちゃってたので,2本目は押さえましょう」のアナウンス。ま,当然かな(笑)。

 昼飯を食べて午後の部。C,Dクラスデモカータイムアタックドリフトかますエスティマは居るわ,デモカー(プロのレーサーの方が乗り込んだ)に至っては,ミニバンとは思えない,まるで鉄砲玉のような速さ。ただただ驚愕。タイムアタックトップはやはりオプワゴのセディアワゴンランエボ7とほぼ同じスペックにしてあるだけあって最強でした。よーし,次回は山杜Cクラスエントリーだ!(よしなさいって)

 C,Dクラスタイムアタックの後,A,Bクラスが体験走行2本目。しかし,午前中の反省から,今度はペースカーもスローペース。面白く無いなあ・・・。タイムアタックの後だからか,2本目の体験走行はタイム計られてました。でも,こんなスローペース計られてもなあ(笑)山杜のベストラップは「1分55秒83」。午前中の走りなら1分30秒台は間違いなく出てたぞ〜。午前中計ってくれれば良かったのに(苦笑)。

 その後,C,D,デモカーのタイムアタック2本目。タイヤが吹っ飛んでるエスティマも居ました。増し締めしなかったな。閉会式でもそこを突っ込まれて,足回りのパーツを特別賞として獲得してましたが。そんなこんなで,走行は幕を閉じたのでした。

 閉会式。ノーマルの山杜は当然特別賞関係も何も無し。しかし,パーツの賞品が全部エスティマ用ってのはどういうコトよ(苦笑)。参加台数見りゃあそりゃそうなんだろうけど。でもまあ,ステッカー数枚がめたからよし。まあ,万が一入賞して雑誌にでかでかと写真と本名が載っちゃっても困るんだけど(笑)。閉会式で印象的だったのはエムズスピード(だったかな)の社長さんが言っていた「皆さんにはもっと精力的に活動していただいて,ワゴン&ミニバンでのスポーツをもっと広めていって欲しい」というもの。今年「走ってなんぼ」を流行らせようとしているスタイルキングの社長さんも同じ気持ちだという。

 本来,ワゴンやミニバン「積む・乗せる」ための車両であり,スポーツとはかけ離れている。それでサーキットに入るということは,自分はともかく,サーキット常連の皆さんからの偏見の目が向けられることは必死である。ただ,家族を持つようになったら,いつまでのクーペタイプの2ドアスポーツってわけにも行かないのが事実だし,2台持てるような財力もない。山杜だってたまにはサーキット走行会に出たい。ミニバンで本格的に改造(今回のデモカーのように)してしまったクルマはミニバンと呼べるのかどうか疑問ではあるけど,せめて偏見の目が無くなるぐらいには市民権を得て欲しいなあと思った次第である。がんばれミニバンスポーツ走行!

 閉会式終了,解散。混雑する前に早めにエビスを後にする山杜。そこに大雨到来。いやー,よく保ったよ〜。天気。走行中保ってくれた。大きな事故もなかったのはこのおかげ。お天道さんありがとう!

 かくして,初の試み「サーキットでおおあばれ!オプションワゴン杯〜走ってなんぼ2002〜」は幕を閉じた。次回は9月予定スタイルキング社長「次回も参加したい人?」の問いかけに手を挙げてしまった山杜。本当にまたどノーマルで参加するのか?という疑問を残しつつ,Cクラス参加を密かに狙っているのだった

<山杜走行中の写真はありません>

早朝のエビス
早朝のエビス

武装軍団
武装軍団

パドックにて
パドックにて

ステッカー
義務ステッカー(笑)

ゼロニー
白熱ゼロニー

ピットロード
ピットロード

エビス西名物
エビス西名物連続ヘアピン

ホームストレート
ホームストレート爆走

オプワゴセディアワゴン
オプワゴセディアワゴン


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