【2000年総括と2001年展望】


 今年を振り返って一番の事件は,何と言ってもNOAHの旗揚げにつきるだろう。前々から「全日本プロレスが分裂するのでは」という噂はささやかれていたが,まさにそれが現実となった出来事であった。採鉄場のアクセス数も一気に鰻登り。ファンにとってどれだけショッキングなことだったかが伺えた。

 NOAH旗揚げ後であるが,選手・スタッフ一丸となって盛り上げていこうとする姿勢が非常に好感的である。秋山をはじめとする次世代の台頭,観客の目を引く演出,会場のさわやかな雰囲気・・・。闘っているレスラーは全日本時代と同じはずなのに,明らかに雰囲気が違う。お客さんの心はばっちりつかんだと言っていいだろう。

 今年のNOAHはまだ試運転状態であったため,物足りなさはあったがまずは順調な船出と言っていいだろう。ただ今年の反省点としては,橋本真也参戦問題がある。二転三転してなかなか決着がつかなかったし,12.23有明コロシアムでの小橋−秋山戦,三沢−ベイダー戦がかすんでしまった感は否めない。実際,スポーツ紙などのマスコミでは,試合内容よりも話題性といった感じで,橋本の方を大きく取り上げていた。何か違うな,と感じたのは私だけではないだろう。個人的には,橋本参戦は時期尚早であったと思う。

 さて,来年のNOAHであるが,言うまでもなく新設されるベルト「GHC」が中心となってくるであろう。シングルヘビーは特に問題なく,三沢,小橋,田上,秋山,大森,高山,ベイダーあたりが名乗りをあげてくるだろう。橋本も絡んでくるかもしれない。ジュニアも小川,菊地,志賀,金丸,橋,丸藤あたりで落ち着きそうだ。一番注目したいのはやはりタッグである。NOAHで正式タッグとなっているのは,今のところ三沢・小川と大森・高山ぐらいだろう。果たしてベルト取りに向けたタッグチームはどのような編成を見せてくれるのか。田上はやはり泉田か。小橋は?秋山は?ベイダーは?非常に楽しみである。

 年が明ければ21世紀。NOAHもいよいよ本格的に大海原へと漕ぎ出す。いちファンとして見守っていきたいと思う。

(文責:山杜一平)


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