【2000年全日本プロレス展望】


 あけましておめでとうございます。今年も採鉄場をよろしくお願いいたします。さて、波乱の多かった1999年、馬場さんの逝去・鶴田の引退・川田2度の負傷欠場と暗い話には事欠きませんでした。一方、人事面では三沢が社長に就任し新体制がスタート、こちらは順調に推移しましたが、観客動員で40万人を割り込んだとか新日本との動員数の差などがクローズアップされマット上の戦いに加えて会社経営という新たな敵が出現しました。 興行数も例年比で10試合の減少、観客動員も約2万人の減少ということで、新日本との比較では大きく見劣りしますが、収益面では単純にボリューム面での減少であり損益を脅かすまでには及ばないものと考えられます。2000年も新春シリーズから興行数の減少を感じますが、ひとまずは会社が永続的に発展することが根幹であり三沢社長にはくれぐれも陣頭指揮の間違わぬよう、安心して見ていられる全日本を築いて欲しいものです。

 さてリング上に目を向けてみると、馬場政権の時とは大きく変化が出てきたと感じました。まずはカード編成面です。従来の編成では三冠をメインにシリーズのカード編成が見られましたが、9月の武道館ではファンの投票による5大シングル戦が組まれるなど違った一面が見られました。また後楽園では6人タッグトーナメントや組み合わせ抽選会など企画ものも好評でした。ドーム大会ではウォリアーズ・ウイリアムスの参戦や三沢の意地の勝利、川田の復帰戦、そして馬場さんの引退試合と多彩なラインナップで楽しませてくれました。馬場政権時では考えられないような動きが垣間見れた1999年でした。

 また、若手の台頭もありました。大森・高山のノーフィアー、井上雅の初戴冠など中堅若手がようやく実績を出してきました。特にノーフィアは四天王プロレスに追いついたことが大きく評価されていますが、もう1つ忘れてはいけないのがアジア王座への貢献でしょう。今までは防衛しながら価値を高めるというのがその方法でしたが、彼等は実力でアジアと世界のダブルタイトル戦へとそれを引きずり込み、その価値をしらしめました。若手の登竜門という意味での存在であったアジアを世界とのダブルタイトル戦へと引き上げた2人は全日本の常識をいろいろと覆してくれました。2000年は是非とも上位陣を苦しめそして結果を出してくれることを切に願ってやみません。

 そして今年、2000年は昨年より更に新鮮な映像に期待したいと思います。新鮮なというのはタッグチームの入れ替えでもなくカード上編成面の入れ替えでもありません。つまりは若手の更なる台頭であります。昨年の大森と高山は全日本のタブーを犯してまでスターダムに伸し上がりました。結果、今ではファンには支持されベルトも獲得し頂点も極めました。これがどれくらい凄いのかもっと若手が奮起し暴れて欲しいですね。内容はもちろんのこと若手の台頭は編成上でも幅が生まれる上、見る側に新たな想像をかもしだす効果もあります。いつまでも四天王に「おんぶに抱っこ」ではいけません、1990年代のプロレスから2000年のプロレスへ、さらには20世紀から21世紀のプロレスへ、若手中堅陣、特に本田・泉田・井上・モスマン・垣原!君らに言いたい!!風穴を開けてくれ。


さて最後に全日本2000年大予想を。

1.四天王対若手中堅陣の「世代抗争勃発」
 秋山一念発起。全日本版ニューリーダー、ナウリーダー抗争。

2.ジュニアの開国枠拡大
 大物他団体選手のジュニア選手権挑戦。もしくは他団体出場。

3.力桜初戴冠
 デビューして今年中に即タイトル戴冠。多分アジアかな…。

4.ハンセン引退
 ぼちぼちのような気が…。

5.蝶野スポット参戦
 交流戦への複線か?

6.全日本・新日本以外ですが、マット界のビッグバン
 弱小団体が淘汰されていく、弱いものが消えていきそうな気がします。

(文責:大蔵栗雄)


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