【'99C・カーニバル総括とドーム展望】


チャンピオン・カーニバル最終結果

1999
C・カーニバル
星取表
















得点
三沢光晴
14
田上 明
11
小橋健太
16
秋山 準
11
大森隆男
ベイダー
15
J・エース
G・オブライト
高山善廣
新崎人生
優勝戦
小橋健太
(1位)
19分11秒
体固め
ベイダー
(2位)
※ ベイダーアタック

優勝
ベイダー(初)


 ベイダーの優勝で幕を閉じた99年カーニバル、大方の予想通り三冠チャンピオン・ベイダーの強さが際立ちました。今回の見所の筆頭にストップ・ザ・ベイダーを掲げましたが、これは三沢がピンフォールという形で達成、しかし他は小橋の引き分けが最高で後は周知の通り全敗でした。三冠王者がカーニバル制覇ということで格好としては文句のつけようはありませんが、それにしても黒船ベイダーの勢いは止まりません。

 また、オブライト・エースの両外国人にも注目しましたが意外と星が伸びませんでした。特にオブライトは日本人5強+ベイダーに全敗と期待を大きく裏切る結果でした。体格はベイダー級ですしそれこそ爆発も可能なのですが、なかなか噴火してくれませんね。エースも同様にムーブメントが風前の灯火になってきました。いずれにせよ両者ともに流れが悪すぎます。

 また大森選手ですが今回は大きく期待を寄せた人がいたと思いますが、戦前の勢いも空しく散々な結末でした。大蔵自身は期待していませんでしたが悪い予感が的中してしまいました。アックスボンバーを習得し並々ならぬ闘志を前面に押し出していたのですが、正直なところまだ彼は根本的なところに変化がなく見た目の変化では勝てないということが証明されました。技ではないのですよ、最後に説得できるような大技を習得することではないのです。根本的なところ、例えば間合いであるとかバランスであるとか・・・そういうところに変化がない限り上位に食い込むことはまだまだ難しいでしょう。

 今回敢闘賞は新崎です。大森から見事勝利を得ました。体格的ハンデを背負いながらもよく戦いました。出場者が厳選され高レベルな試合が展開されましたが、長年指摘されている全日本のアキレス腱、「上下の差」がまた改めて浮き彫りにされたとも言えるでしょう。


 さていよいよドーム大会が迫りました。それでは各試合の見所を簡単に紹介しましょう。


第1試合 菊地・丸藤 VS 浪花・橋

 菊地と浪花の絡みに注目です。あとは普段通りの試合です。


第2試合 浅子・森嶋 VS 志賀・金丸

 これも普段通りの試合です。肩肘はらずに見てください。


第3試合 木村・百田・井上 VS キマラ・永源・泉田

 別な意味で引退記念試合です。馬場さんに捧げる6人タッグ、賛否両論ありましたが馬場さんが認め、そして残してくれたまさに馬場さんの遺産です。この日だけは楽しさ半分、思い入れ半分といったところでしょうか。


第4試合 スミス・本田・渕 VS 中川・金村・外道

 全日軍の実力が抜きんでた組み合わせです。試合巧者が揃っているためレスリングの格の違いを存分に見せつけてくれそうです。スミス・渕のテクニックに注目してください。


第5試合 小川・モスマン・垣原 VS ハヤブサ・サスケ・タイガー

 どうぞ全日本のジュニアのレベルを確認・評価してみてください。相手に不足はありません、サスケは新日本にも出場する選手ですし無風状態の全日ジュニア陣の真の実力を知る絶好の機会です。ひとまず小川とサスケの絡みは注目です。


第6試合 馬場・デストロイヤー VS キニスキー・サンマルチノ

 どんな形になるのか予想がつきません。意外とゲームかも…。


第7試合 田上・ハンセン・ウイリアムス VS オブライト・高山・大森

 ウイリアムスの姿が見られるのはいいですね。WWFではあまり出場機会がないのか、専門紙でも姿をみかけません。全日本晩年のような動きの悪いウイリアムスではないことを期待しましょう。どうせならこのまま全日本復帰して欲しいものです。ベイダーとのシングルが見たいのは大蔵だけではないはずです。今回は高山・大森に爆発を期待します。カーニバルでは不本意な結果だった両者。タッグ戦線に食い込むにはやはり実績が必要です。一人で駄目ならタッグで勝負、高い壁だからこそ現状打破には最適。出戻りウイリアムス・下り坂のハンセン・最近勢いのない田上が相手ということでここは大きいものが欲しいですね。舞台と役者は整った、あとは結果を残すのみ。


第8試合 川田 VS 馳

 熱い試合になりそうです。川田はこの試合に勝って6月の武道館で三冠への挑戦権を確実なものにしたいです。馳も念願叶って川田戦、大物食いのチャンスです。とにかく内容は文句無し、皆さんあとの試合のためにスタミナ配分にご注意を。すべてが見所、試合に注目せよ。


第9試合 小橋・秋山・ハクシー VS エース・ウォリアーズ (大蔵最大の注目カード)

 懐かしい顔が全日本復帰です。90年代の全日本、小橋・秋山と80年代の全日本ウォリアーズの絡みが最大の注目です。序盤はウォリアーズのスピードを楽しんでください。後半になるにつれ小橋・秋山の自力が出てきます。このあたりの流れも面白いですね。それぞれのパートナー、ハクシー・エースは今回引き立て役になりそうです。ハクシーはキャラ的には十分で遜色ありませんが体格的に厳しく、エースはこの中では面子的に苦しくなるでしょう。いずれにせよ組み合わせが豪華なので試合内容や結果だけにとらわれず、雰囲気などを存分に楽しんでください。内容は現在進行形の全日本とはかけ離れた試合展開のはずです。垂直落下も少なければエグイ攻撃も見られないはずです。でも存分に楽しめるはずですので、どうぞ頭でっかちにならないで試合を見てください。


第10試合 三冠選手権 ベイダー VS 三沢

 圧倒的な強さを見せるベイダーをエース三沢がいかに崩すか、何といってもここが見所です。カーニバルではピンフォール勝ちでしたがタイトル戦ではどうか興味深いですね。かたやベイダーもチャンピオンとして三沢に2連敗は許されません。いつものように重い1発1発で三沢を追いつめたいものです。一気に全日本の頂点に上り詰めたベイダー、さらなる外人勢力の拡大の意味でも防衛は至上命令でしょう。カーニバルの決勝を見る限り三沢の勝つ可能性は低いと感じましたが、そこは百戦錬磨の三沢、秘策に期待してしまいます。結果がすべての三冠選手権、願わくば三沢が勝って6月の武道館で川田と再び三冠を賭けて戦って欲しいものです。皆さんの思惑はいかなるものか、大蔵はこれからの新生全日本に期待し、ズバリ三沢と心中!


(文責:大蔵栗雄)


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