【ドーム三冠戦を振り返る】


 本来,ドーム大会全てを総括すべき所なのですが,実際に観戦したわけではなく, TVでもまだ全ての試合を中継したわけではないので,とりあえず三冠戦だけを振り返ることにします。


<三冠ヘビー級選手権試合(時間無制限1本勝負)>

(王者)
● 三沢光晴 
28分05秒
パワー・ボムから
エビ固め
(挑戦者)
 川田利明 ○

三沢が9度目の防衛に失敗,川田が第18代王者となる。

 ついに川田選手がが悲願達成しました。長年川田選手を見てきた者としては,感慨もひとしおです。 一時は「三沢光晴に対して一区切りついた」とまで表明した川田でしたが, ドームという大舞台で,ついにやってくれました。

 ドーム大会当日,私はパソコンの前に座り, インターネットで速報が入るのを今か今かと待ち受けていました。 そしてPM10:30過ぎ,私の目に「川田勝利」の速報が飛び込んできました。 いつの日か,川田が三沢から三冠を獲るだろう,と思い続けて早6年。 長い時間を越え,ついにそれが現実のものとなったのです。 三沢からのシングル勝利を,田上に三冠戦の舞台で先を越され,小橋にも先を越され, やっとつかんだシングル初勝利も,ハンデ付きと言われ続けた川田。 とうとう何処からも文句の付けようがない形で,三沢から三冠ベルトをもぎ取ってみせたのです。 結果を見た私の第一声は「長かったなあ・・・」でした。

 後日,TV中継を見ました。試合内容はいかにも三沢−川田戦といったものでした。 技ではなく,魂・意地のぶつかり合いです。 試合内容だけで言えば,過去の三沢−川田の三冠戦の方が,いい試合があったと思います。 それだけ,三沢の体調が悪かったんでしょうね。 実際,TVを見た限りでは,観客はさほど盛り上がっていなかったようにも感じました。 (ドームなので歓声が響かなかっただけかもしれませんが・・・。) 結局,最近のファン層には,三沢−川田よりは三沢−小橋戦の方が, 技の応酬が激しいので受けがいいのかもしれないな,と思いました。 でも,最後は川田の勝利に,観衆が総立ちになっていました。 やはり,三沢と川田の歴史を知る者にとっては,感慨深いですよね。 身体全体を使って押さえ込み,3カウントを奪った直後, 無意識のうちにガッツポーズをした川田の姿が印象的でした。 全日本プロレス初めてのドーム大会,最高のフィナーレになったのではないかと思います。

 これで川田は五冠王達成。逆に三沢は無冠となりました。 しかし,このことによって,三沢はやっと重責から解放されたのも事実です。 勝利の女神は,三沢に「しばらく休養しなさい」と言っているのではないでしょうか。 三沢には,次シリーズ全休してでも,身体を治して欲しいです。 馬場社長は全休を促したと言うことですが,三沢は頑固ですからねえ。どうなる事やら。 ただ,三沢が次シリーズ全休するということは,6・5札幌大会に三沢が来ないということです。 私は全日本プロレスのファンとして,三沢にはこれからも頑張って欲しいので, 三沢が来ないのは仕方ないとあきらめますが, ただ,札幌のファンは,8,9割が三沢派と言っても過言ではないので,ちょっと心配しています。 もう昔の話ですが,鶴田が欠場したとき,そのパートナー田上が急成長したときがありました。 三沢が欠場するとなると,秋山がさらなる成長を遂げるのではないか,と密かに期待しています。 秋山だけでなく,大森,雅央あたりの奮起も期待したいところです。 (私は,いつの日か秋山−大森の三冠戦が行われることを夢見ています。)

 しかし,最初はどうなることかと思いましたが,ドーム大会が成功したようで良かったです。 観客数も懸念されていたほど少なくありませんでしたし,試合内容もおおむね好評だったようです。 次回はもっとインパクトのあるカードも組んで欲しいですね。 今のままでは武道館大会のキャパシティを増やしただけに過ぎませんから。 とにかく,このドーム大会は,選手にも,団体にも,得たものは多かったと思います。 今後の全日本プロレスに,ますます期待したい所です。

 なお,その他の試合の感想は,また後日,TV中継を全部見てから, 改めて書きたいと思います。何はともあれ,おめでとう!川田選手!!

(文責:山杜一平)


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