【98チャンピオン・カーニバル総括】


 大変遅くなりましたが,カーニバルの私なりの総括をしたいと思います。

 今年も熱戦が繰り広げられましたカーニバル, まずは最終星取り表と優勝戦の結果からご覧下さい。


C・カーニバル
星取表
得点
三沢光晴
19
川田利明
18
田上 明
小橋健太
18
秋山 準
19
大森隆男
泉田 純
S・ハンセン
17
S・ウイリアムス
17
J・エース
14
G・オブライト
12
G・キマラ
W・ホークフィールド

<優勝決定戦>

○ 三沢光晴 
22分05秒
ランニング・エルボーから
片エビ固め
 秋山 準 ●

優勝 三沢光晴 (3年ぶり2度目)

 というわけで,優勝は三沢光晴選手,自身3年ぶり2回目のカーニバル制覇となりました。 三冠王者の優勝は,妥当といえば妥当ですが,やはり今回のカーニバルも三沢にとっては鬼門だったようです。 左膝の骨折。それを乗り越えての優勝は,凄いとしか言いようがありません。

 そういえば前回優勝時も,三沢は眼下骨折をしていました。 骨折していた方が強い,などというジンクスができそうです。 でも実際,手負いの状態の三沢は殆ど負けたことがないんですよね。 田上が言っていた「三沢=サイボーグ説」も,何となく頷けてしまいます。

 これで三沢は箔がついた状態で,5・1ドーム大会へ臨めます。 逆に川田は,カーニバル優勝者として三冠に挑戦したかったところ。 優勝戦にすら進出できなかったことは,さぞ無念だったでしょう。

 無念といえば小橋健太選手です。 「四天王の中で唯一優勝していない」と言われ続け,今年こそは,の決意で望んだカーニバル。 結果は第3位と,またしても目標達成はなりませんでした。 公式戦で初めて川田をシングルで下すなど,かなりの収穫はあったはずですが, 小橋ほどの選手となると,やはり最終結果がすべて,ということになるのでしょう。 小橋にとってカーニバルは,三沢以上に鬼門のシリーズなのかも知れません。

 その川田,小橋を差し置いて,優勝戦に勝ちあがってきたのは,誰あろう秋山準選手でした。 ここのところの秋山の充実ぶりは誰もが認めるところでしたが, 優勝戦に残ることを予想した人は少なかったはずです。 対外人勢で,ひとつも負けが無いというのは,凄いことだと思います。 残念ながらビデオの録画を失敗し,私は優勝戦の模様を見ていませんが, 専門誌で見る限り,秋山はかなり攻め込んだ印象を受けます。 最後は,体調不良の時の頼みの綱こと,三沢の肘鉄砲にやられましたが, 「四天王から五天聖へ」の以降を示すには充分の活躍だったと思います。 ますますこれからの秋山に期待がかかります。

 ただ,外国人勢は,今ひとつパッとしませんでした。 戦前,K.O氏が行った大予想を大きく裏切り,外人の得点トップはハンセンとウイリアムスでした。 K.O氏が期待したオブライトは,得点12と,残念な結果に終わってしまいました。 全日本の最強外国人=ハンセンという構図は,今回も変わることはありませんでした。 本来なら,あの年齢でここまで頑張ったハンセンを誉めなければならないのでしょうが, ウイリアムスはともかく,他の外人選手がふがいなさ過ぎました。 エースは小橋,川田と引き分けるなど,それなりには結果が出ましたが,大物食いはならず, オブライトは鳴り物入りで全日本に来てからずいぶんになりますが,未だ鳴かず飛ばずの状態。 一発は恐いものの,逆に一発が出なければ恐るるに足らないといった感を拭えません。 2年連続で日本人同士の優勝戦になっている現実を,彼らはどう受け止めているのでしょう。

 また,今回のカーニバルは,怪我人が多いカーニバルでした。 怪我人が多いと言うよりは,重傷者が多い,と言った方が適切かもしれません。 みんな何処かしら怪我をしているのだから,それに打ち勝った者だけが優勝できるんだ, という意見もありますが,三冠戦クラスの闘いがこれだけ集中するわけですから, 選手の皆さんはたまったものではないはずです。 以前一度カーニバルが封印された理由も分かるような気がします。 ただでさえ激しい闘いの全日マット, カーニバルの在り方をもう一度考える時期に来ているのかもしれません。

 とにかく,怪我も屈せず優勝を果たした三沢選手に,心から拍手を送りたいと思います。


 では最後に,明日行われるドーム大会三冠戦の直前勝利者予想をして,終えたいと思います。

予想者 勝利者 ひとことコメント
K.O三沢光晴川田は決め手欠く。また,手負いの三沢は強い。
なおじゅ☆川田利明三沢は強いが,ファンとして川田に勝ってほしい。
山杜一平川田利明弱点を攻めすぎず,勝機を見逃さなければ悲願達成。

 さて,一体どんな結末が待っているんでしょう?ドーム大会は,いよいよ明日ゴングです。

(文責:山杜一平 K.O なおじゅ☆)


    戻る