【5・1ドームのカード(その2)】


 前回のコラム掲載後程なくして, 全日本プロレス側からドーム大会の対戦カード変更ならびに全カードが発表されました。 皆さんすでにご存知だとは思いますが,改めて書きたいと思います。


第1試合
浅子 覚
VS
金丸義信
第2試合
M・モスマン
VS
池田大輔
第3試合
J・鶴田
R・木村
百田光雄
VS
渕 正信
永源 遥
菊地 毅
第4試合
本田多聞
井上雅央
VS
ザ・ヘッド
ハンターズ
第5試合
W・ホークフィールド
J・スミス
VS
邪  道
外  道
第6試合
田上 明
大森隆男
小川良成
VS
ザ・グラジエーター
黒田哲広
保坂秀樹
第7試合
S・ウイリアムス
G・オブライト
VS
高山善廣
垣原賢人
第8試合
G・馬場
志賀賢太郎
ハヤブサ
VS
G・キマラ
泉田 純
新崎人生
第9試合
秋山 準
VS
馳  浩
第10試合
小橋健太
J・エース
VS
S・ハンセン
ベイダー
第11試合(三冠戦)
(王者)
三沢光晴
VS
(挑戦者)
川田利明


 前回のコラムでは「カードの意義」を中心に,小橋のカードへの異議を書きましたが, 変更された小橋のカードも,もうひとつ意義が見いだせないのは私だけでしょうか。
 ベイダーと小橋,エースが絡む,と言う点では,以前のカードより確かに話題性はあります。 しかし,やはり接点がない,と言わざるを得ません。 ハンセンとベイダーが組むことに対しても,一抹の不安が残ります。 小橋が関わる試合は,基本的にはずれがないと思いますが, このカードについては,果たして好勝負になるんだろうか,と考えてしまいます。 まあ,話題性が出てきただけでもよしとすべきなのでしょうが・・・。 個人的にはこの試合,小橋よりもむしろエースに期待したいです。 エースがハンセン,ベイダーどちらでもいいです。ピンフォールを奪うシーンが見てみたいです。

 では,そのほかの見どころを私なりに簡単に書きたいと思います。

第2試合 モスマン VS 池田

 果たしてジュニア王座はかかるのか? もしかかるのなら,ヘビー級のジュニア王者(^^;)モスマンが, ベルトを他団体から守るという重責を背負って行われることになり, いつにもまして気迫がこもることでしょう。 一方の準レギュラー池田は,全日に参戦し続けた集大成としてベルトが欲しいところ。 こちらもいつにもましてバチバチを仕掛けてくるでしょう。 好勝負になりそうなので,是非選手権試合にして欲しいところです。

第4試合 本田,井上(雅)組 VS ザ・ヘッドハンターズ

 アジアタッグを狙う多聞,雅央組に対するは,巨漢ヘッドハンターズ。 あの巨体でムーンサルトをもこなす彼らに,多聞,雅央はどう立ち向かうのか。 多聞の怪我の回復具合が,勝負の鍵を握っていそうです。 しかし,まさかヘッドハンターズが参戦するとは思いませんでした。

第5試合 ウルフ,スミス組 VS 邪道,外道組

 この試合もアジアタッグ王座はかかるのか? 邪道,外道は「王道」G・馬場からもいい評価を受けているようです。 体格では圧倒的に不利なウルフ,スミス組にどう立ち向かっていくのか。 彼らの小気味いいファイトに注目です。 しかし,ブリーフ・ブラザーズ・ダンスだけはやらないで欲しいですね(笑)。

第6試合 田上,大森,小川組 VS グラジ,黒田,保坂組

 C・カーニバル負傷欠場した田上が,完治して望むことができるのか? 北尾戦が流れた田上には,おもいっきり大暴れしてもらいたいです。 グラジは「タウエは眼中にない」とインタビューで語っていましたが, 怪物・田上に対する策はあるのでしょうか? 対抗戦になるといい味を出す大森, ZENにはこういったタイプがいないであろうテクニシャン小川, この3人のタッグはかなり強力です。 黒田,保坂はどう立ち向かうのか,とても興味深いところです。

第7試合 ウイリアムス,オブライト組 VS 高山,垣原組

 ある意味,T.O.P.の同門対決とも言えるかもしれません。 面白いのは,この4人の中で,Uインター出身者が3人もいることです。 そしてウイリアムスも全米アマレス優勝経験者。試合展開はU系のそれになるのか。 はたまた巨漢同士のダイナミックな戦いになるのか。 ポイントは垣原がどう体格差を克服するかだと思います。

第8試合 馬場,志賀,ハヤブサ組 VS キマラ,泉田,人生組

 タッグのメンバーもさることながら,ハヤブサと人生が闘うのも,珍しいことです。 ドームで馬場選手がどのような闘いを見せてくれるのか。 親子タッグ,馬場,志賀組の連携はどうか。 そして,花道から「王者の魂」に乗って,馬場選手が入場するシーンはあるのか。 やはりこのカードの主役は, 還暦を迎え,旗揚げから25年全日本プロレスを引っ張ってきた, ジャイアント馬場選手でしょう。

 とまあ,簡単に注目カードを書いてきたわけですが, 私としてはやはり,田上−北尾戦が流れたのは痛かったと思います。 前回の話題と重複しますが,興行という観点で見た場合, プロレスにあまり詳しくない人をも引きつけるカードとして, 田上−北尾戦は重要だったと思うのです。 このカードが無くなった以上,ゴールデンタイムのTV放送はまず無いでしょう。

 しかし,改めて全日ドーム大会を考えてみると, 全日本プロレスという団体は,あまりドーム向きではないのかな,と思ってしまいます。 完全にお祭り,という訳でもなく,武道館大会と同じ,という訳でもない, 中途半端な興行になってしまいそうだ,と感じるのは私だけでしょうか。

 何はともあれ,このドーム大会が終わった後,何も感動が残らなかった, と言うことの無いよう,祈りたいです。

(文責:山杜一平)


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