【5・1ドームのカード(その1)】


 ついに,全日本プロレス側から,ドーム大会の対戦カード第1弾が発表されました。 皆さんすでにご存知だとは思いますが,改めて書きたいと思います。


<三冠ヘビー級選手権試合>
(王者)
三沢光晴
VS
(挑戦者)
川田利明


田上 明
VS
北尾光覇
 
 
(武輝道場)


秋山 準
VS
馳 浩 


小橋健太
VS
ザ・グラジエーター
M・モスマン
保坂秀樹
 
(ZEN)


 上記のようなカードが発表されたわけですが,1つを除いては満足できるカードだと思います。 メインは三沢−川田の三冠戦。C・カーニバルの予想をしてくれたK.O氏は,このカードを 「全日本プロレスの最高カード」 と断言しています。 「三沢−小橋戦がどんなに凄かろうと,三沢−川田には勝てない」 がK.O氏の持論です。 確かに,この両者の三冠戦なら,安心してドームのメインを任せられそうです。

 田上−北尾戦も,興味深いカードです。 このカードの隠れた意義として,プロレスファンではない人々へのアピールがあると思います。 プロレスには興味がない人でも,元横綱・北尾(双羽黒)は知っていると思います。 そして田上も角界出身。かたや元横綱,かたや元十両。 相撲での実績は圧倒的に北尾ですが,プロレスのリングではどうか。 もしこのドーム大会がゴールデンタイムでTV中継された場合, この試合はプロレスに興味がない視聴者をも引きつけることができるカードです。

 秋山−馳戦は,昨年の小橋−馳戦に続く,プロレスファン必見のカードです。 いくら馳選手が意識しなくても, ファンとしては,全日本対新日本のような構図で見てしまうことでしょう。 全日のトップクラスに追いついてきた人間,対するは新日でトップを張っていた人間。 専修大学レスリング部出身同士の対戦でもあるこのカード,好勝負は間違いないところです。

 以上の3試合は,ファンの間でもおおむね好評のようですが,残る1試合が波紋を呼んでいます。 小橋・モスマン組−グラジ・保坂組。 一部のファンの中には,カード変更を全日サイドに要求している者もいると聞きます。 理由としては,四天王小橋のカードとしては役不足, グラジ・保坂の全日参戦経験無し,カードの意義がない,等が言われています。

 一番切実なのが,カードの意義だと思います。 このカードには,ファンにも,そうでない人にも,訴えかけてくるものがありません。 あまりにも理由がなさ過ぎるカードなのです。 小橋と戦ってみたい,という他団体のレスラーは,多いことでしょう。 しかし,グラジも保坂も,小橋にラブコールを送ったという話は聞いたことがありません。 あのハヤブサだって,小橋との対戦を実現させるまでには,かなりの段階を踏んだのです。 そう,グラジ・保坂と小橋の接点は全くないのです。 また,ジュニア王者モスマンも,ドームでタイトル戦が組まれないのは,不本意なはずです。 とにかく,現時点では,このカードには何の意義も見いだせません。

 まだドーム大会までには間があります。 これだけファンの間で意義があれば,全日本サイドもこのままではいられないはずです。 私も1ファンとして,異議を申し立てます。 全日の興行としては初めてのドーム大会,意義のないカードだけは組まないで欲しいです。 全日サイドからのカード変更の発表を,期待したいものです。


<お知らせ>

 私,山杜が急用のため,来月までページ更新ができない状態にあります。 従って,今月の全日本プロレスコラムは,これにて終了させていただきます。 来月の更新日,4月10日を楽しみにお待ち下さい。

(文責:山杜一平)


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