【ドーム進出について】


 最大キャパシティが日本武道館だった全日本も, とうとう今年5月1日に東京ドームに進出することが決まりました。 全日本の首都圏観客動員数から見て,満員になることはほぼ間違いないでしょうから, 客の入りを心配することはないと思いますが,私はどうも心配が拭い切れません。

 恥ずかしながら,私はまだ一度もプロレスのドーム大会を見たことがありません。ですから, 私がドーム大会について語るのはおかしいのかも知れませんが,ひとつだけ不安があるのです。 それは,「観戦しやすさについてはどうなのか」ということです。かなり昔の話になりますが, 東京ドームに巨人−広島戦を見に行ったことがあり,かなり広かったことを覚えています。 野球のような広いフィールドを用いるスポーツなら最適なのでしょうが, プロレスはあの小さなリング上で行うスポーツです。スタンド席からの観戦に耐えられるのか, 非常に不安です。生で観戦するために会場に足を運んだのに,オーロラビジョンを見ているようでは, 本末転倒だと思うのです。プロレスとは,客に見てもらうことも重要な要素なのですから, 試合模様が見えないようでは話にならないと思うのですが・・・。 ドーム大会観戦経験者の方はどうでしたか?経験談などお聞かせできれば幸いです。

 ただ,その問題がクリアできれば,ドーム進出は全日本にとって大きなプラスとなるでしょう。 全日本の良さは,変わらないことであると思いますが,それは同時に飽きられる要素でもあるわけです。 この諸刃の剣状態を打破するには,根底にある物は守りつつ,装飾を変える必要があるのです。 本質が守られていれば,「全日本らしくない」ということはないでしょう。ドームという大舞台は, 選手たちにも観客にも新たなる発見を与えてくれ, よりパワーアップした全日本プロレスを生み出してくれるはずです。「新しい全日本プロレス」 が始まるとは思いません。強いて言うならば,「超・全日本プロレス」とでも言うべきでしょうか。 ステージが変わっても,芝居の内容が変わらないのと同様に,ドームで興行しても, 全日本プロレスは全日本プロレスです。ただ,今年の選手の皆さんの意気込みは, 昨年までよりは強いはずです。興行スケジュールドームが加わったことにより,より多くの観客に, より多くの感動を与えてくれることでしょう。

 私は今,5・1ドーム大会に行こうか行くまいか悩んでいます。福島県の友人には「行こう」 と誘われてはいるのですが,何せ札幌からとなると,旅費も馬鹿になりません。ドーム大会がいわゆる 「お祭り」的な興行になるのか,それともこれから先,日常的な興行になるのか, それによって私の行動は決まります。「お祭り」ならば,是が非でも行かねばならない所ですが・・・。

 不安もありますが,何はともあれ,5・1東京ドーム大会を楽しみに待つことにしましょう。

(文責:山杜一平)


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